ゲームライターの独り言

電撃編集部を中心に活動中の現役ゲームライターの趣味ブログ

ゲームライターってなんだろうな

俺は役割を果たせてるんだろうか

 

 少なくとも他のライターよりは色んなタイトル、ジャンルを遊んでいて、何が面白いのか、どこが別の作品と違うのかを常々考えながら生きている。

PS4もSwitchもアーケードも遊べば、当然Steamからも選んで遊ぶ。洋ゲーも子供向けもない。自分が面白そうだと思ったらなんでも遊ぶ。

 だから基本的にゲームはやり込む。PS4ならトロコンするくらいには。トロコンするのが正義ではないが、こういったメディアの立場で、ゲームへの理解度の指標くらいにはなると思っている。けど実はそこに対した意味もなくて。どこもそこまで求められてないのを感じている。

 

 簡単にいえば、どこも6、7割くらいゲームやって執筆できればそれでいい。深い内容が求められてないんだ。だからそんな感覚がつきまとってる。

500時間やろうが、8週しようが、縛りプレイでクリアしようが、トロコンしようが、やり込んだいちゲーマーの目線としてのライターなんて、さして価値がないのかもしれない。

けどやり込んだ、使い込んだ人間の目線て評価において大事だと俺は思っている。スタートダッシュは面白いが、後半失速していくゲームなんてザラにあるでしょう。あれに騙されない為に。

 

 最近は動画で伝えた方が早い。早いというか見る方が楽なんだよね。こういう文字情報を処理するよりも、聞いた方が圧倒的に理解もしやすい。

例えるなら面白い長文のネタツイートよりも動画の方が広まるし、ウケる。あんな感じ。

ゲームの面白さを動画で感じる人の方が今や多いんじゃないだろうか。俺は自分で体験して初めての楽しさや喜びを得たいから、他人の動画を見て判断するって事は絶対にしないが。

でも動画の方が雰囲気やタイミング、自分の好みを見付けやすい。これは文章じゃ勝てない。結局は文章なんて個人の体感だから自分の感性を信じた方が間違いないんだ。

 

 ライターとしての役割が少しずつ変わっていってるのを感じている。

俺としては面白いゲームをもっと知ってほしくて、世の中こんなに楽しいエンターテイメントがあるんだぞ!って知ってほしい。なのに埋もれてるゲームを広める力がない。

もっともっと色んなゲームを発掘して、広められる人間になりたいんだ。「こんなゲーム探してるんですけど…」って人に「これがオススメ!」みたいな。ある種、街のゲーム屋さん的な存在になりたい。

 

 身体が3人欲しい。

ゲームをするヤツ。原稿にするヤツ。動画を作るヤツ。

この経験とエネルギーを活かす場所が、こんなネットの最果てみたいな所でいいのか。悔しい。

『Marvel's Spider-Man』究極の"なりきりゲーム" それはリアルヒーローアクションという新しいジャンル

ゲームしてる最中は間違いなく俺もスパイダーマンだった

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 ゲームは"ごっこ遊び"だと思っている。

剣と魔法を使ってドラゴンを倒すごっこ

銃を持ってエイリアンを倒すごっこ

メカに乗って派手な必殺技を繰り出すごっこ

そういう意味で『Marvel's Spider-Man』は究極のごっこ遊び。少なくともこれ以上になりきれるゲームはそうそう存在しない。

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 恐らくこう思えるのも、俺がスパイダーマンが好きだからという感情を持つ以外に他ならない。

このゲームの評価は、いかにスパイダーマンが好きかどうかに左右される。

何故ならスパイダーマンになりきっていたいから、次の目的地まで2キロだろうがファストトラベルも使わずにウェブスイングで地道に移動していくほど。もっと移動していたいから遠回りも平気でする。

ウェブを使ったスイングの加速感とジャンプした時の浮遊感が合わさって移動がとても気持ち良い。移動が苦にならない所か、楽しくすらある。

他のゲームなら探索しながら戦闘しながらが付いてくるが、移動だけでも楽しいというのは稀。

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 要するに没入感スパイダーマンになりきれる要素が多い。

 次の目的地へ向かう途中で発生する事件。スパイダーマンを呼ぶ声。その中でピーターとしての日常。

これらの要素が次から次へとスピード落とさずにやってくるからスパイダーマンとしての忙しさ、等身大のヒーロー像を最後まで追体験できた。

ビルとビルばかり飛んでいると気付きにくいが、一度街なかに降りると市民からの声援も作り込まれている。一緒に写真を撮る人。手を振る人。反応もさまざまで面白い。

 

 敵をウェブで拘束できること。

これって地味だが、スパイダーマンらしくてなりきりを加速させている。

「ビルから敵を落下させたら死ぬのかな?」なんて考えたが、敵がウェブに絡まってビルに貼っ付くのを見かけた時、スパイダーマン像を大切にしている制作だなと感心した。

だから単に敵をブチのめすだけじゃなく、敵を拘束して警察の到着を待つなんて事が出来るのも面白い。

こういうアクションの選択肢が複数ある遊び心が粋。

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 2002年に公開したサム・ライミ監督の映画「スパイダーマン」シリーズに始まる、映画シリーズの動きを取り入れてるのもミーハーファンとしては嬉しかったり。

アメイジングスパイダーマン」「スパイダーマン:ホームカミング」それぞれのスパイダーマンのアクションをちょっとずつ再現してる。

狭い鉄骨の間を身体を捩らせて通り抜ける所なんて「アメイジングスパイダーマン」を思い出すし、多数のガジェットを使うサマは「ホームカミング」流。

電車をクモ糸で止めるのはやっぱり最初の映画「スパイダーマン2」だろうか。あとは「アベンジャーズ」の要素もあり、胸踊らせた部分も多い。

プレイしていて「あ、今の一瞬の動き映画にあったな」ってなる感触。スパイダーマンに成れてるなぁってより感じられたり。

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 忘れてはならないのが前身となったバットマンアーカムシリーズ。

1人のヒーローに徹底的になりきる遊び方を作り出した功績があってこそ、スパイダーマンのような日常生活とヒーローの合間に揺れる親愛なる隣人が誕生した。

移動と戦闘の爽快感が両立、そして制作側の熱意と研究の成果が一つの作品として成立した稀有なシリーズ。言うなればリアルヒーローという新しいジャンルかな。

『Bioshock』"ゲーム”の常識とプレイヤー心理を利用してきた良いシナリオ

今更レビューなんて恐縮だが、読んでくれたまえ。

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Bioshockは冒頭に無線が飛んで来る。

「大丈夫、君を放っておいたりはしない」

 まだ、そのゲームのルールも分からない時、多くは登場人物の一声でストーリーを進めていく。いわばチュートリアル、ナビゲーションみたいなもんだ。

 

TRPGだって、ゲームマスターの一言でゲームが展開していくのだから従って当然。それがゲームのルールと言える。

飛行機が大海原のど真ん中に墜落し、命からがら逃げた先でラプチャーという架空の海底都市に迷い込み、安全だと思った潜水球の窓を覗くと化物に襲われて人が死ぬ光景が広がる。

そんな地獄に次ぐ地獄の状況の最中に聞こえて来たのが冒頭の無線なのだからすがるしかない。

f:id:shu-dengeki:20190625062651p:plain  その声に従って俺は化物を倒し、開かずの扉を開け、ハッキングをし、ラプチャー内を実に楽しく気ままに制圧していく。

先に進めると右手に装備した銃器と左手の超能力「プラスミド」が増えて少しずつ強くなっていくカタルシス。通れなかった所が開く謎解きの快感。所持金や弾薬がマックスになるほど探索しまくっている様は、実に王道のFPS系のアクションRPGを楽しんでいた。

そんなBioshockの世界観にハマっていた頃に伝えられるのが「主人公は操られていた」という事実。

 

 プレイヤーは「無線の主の言うがままに行動していた操り人形だったという事」だ。

それも「恐縮だが」という枕詞を使った時だけ命令として実行するように予め組み込まれていたと告げられる。

ゲームとしては無線の主に従うしかないのだから卑怯な裏切りでしょ……では一切なく

化物が徘徊するラプチャー内を支配する存在が冒頭からしっかりと説明されていたので、それを倒す仲間としての印象が強くあった。むしろ行動に行き詰まったら手助けしてくれる存在。無線の主をしっかり味方とした上での裏切りだから驚くと同時に、ゲームの常識を疑わせる作りに感動した。ネタバレまでの導線がとても上手い。自然と行動し、自然と強くなり、自然とネタバレまでやってきていた。

ゲームとしてはそこで終わりではなく、今度は無線の主を倒しに「自分の意志」で行動していくので、ある意味で本当のBioshockはここから始まる。

 とても面白かった。ゲーム内で悪人プレイ的な事が出来ない俺は、当然リトル・シスターを全員救出した上でクリア。

誰にも操られていない自分が選んだ人生を謳歌した映像の締めくくりは、リトル・シスターたちに看取られながら生涯を終えていく。まさに「ビッグダディ」。

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 銃器と超能力が使えるので勝手にハチャメチャ系のFPSだと思っていたが、中身はホラー映画の要素を数多く取り入れて新鮮だった。

・ライトに照らされ壁に映る影が猟奇的な動きをしている

・BGMが少しずつ大きくなっていき、クライマックスで敵が突然出てくる

・通った道を振り返るといなかった筈の敵が出現する

・敵が陽気でクレイジー 口歌しながら彷徨っている

・こちらを見付けると全速力かつ一直線に突っ込んでくる

とくに影と音の使い方が上手く、壁に映る影に気を取られていると背後から襲われたり、予想外の一撃を受けたりする。

音楽がなり始めると警戒して動きを緩める。敵の口笛に緊張が走るなど、恐怖を煽る演出が上手い。

またエリア内を徘徊する強敵「ビッグダディ」の存在もあり、探索が慎重になる所もホラー映画っぽくあり雰囲気が良かった。

 

 PS3時代にライター仲間がプレイしているのを見ており、いつか遊ぼうと思っていたがこの時期になってしまったが、遊べて良かったゲーム。

『Path of Exile』を見付けてしまった

PS4版の『ディアブロⅢ』をそれなりにやり込むくらいにはハクスラ好き

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2019年6月。

PS4で遊べる大概のマルチプレイゲームを友達と遊び尽くし、ボダラン2の新DLCも終わり、とくに今みんなでやるゲームがないから何か探していたらSteamで見付けた。

総パッシブスキル数1300超えという頭の悪い拡張性に心を躍らせた俺はさっそくプレイ。

なお全編英語で日本語訳がないもののJPNサーバーが存在する。

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率直に言えば『ディアブロ』と違いレベルアップで新しい攻撃は覚えない。

「スキルジェム」を装備することで新しい技が使えるようになる。

正確には

・新しい技を使える「スキルジェム」

・技性能を強化する「サポートジェム」

があり、装備品のスロットが連結されたスキル同士に効果が発生する仕組み。

従って脳筋系キャラが魔法弾を撃つことも可能だし、魔法使いが殴りまくるビルドを作ることもできるのは『PoE』の強み。

 

全編英語なので全てが手探り試行錯誤。

世の中にはwikiが存在しているが、初心者の手引きではないので結局はやってみて理解した上でしか読み解けない部分は結構ある。

レベルアップの基本的な役割が膨大なパッシブスキルへの割り振り。というのはプレイする前は気付けなかった。(ジェム自体にもレベルアップがあり、そのレベル制限にキャラのレベルが条件になっているなどもある)

 

あと驚いたのは「WASD」が移動じゃない

スキル仕様に割り振られており、移動はマウスクリックで位置指定するタイプ。

序盤だから左右クリックとホイール、マウスサイドボタンで事足りてる。片手で遊べるのは楽でいい。

 

クラスは「Shadow」を選択。

トラップを投げつつ、ショットガンのように拡散するナイフ投げる「Ethereal Knives」と氷の刃が周囲の敵に拡散する「Frost Blades」がお気に入り。

とくに「Frost Blades」で拡散した氷が自動追尾なのが便利。殲滅力がある。

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