『バイオハザード7』クリア記念に軽く総評
暗がりを進んでいく、あの恐怖を思い出した
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端的に言えば無数に湧いてくる敵をぶっ倒して進むB級映画スタイルから、恐怖に重点を置いたホラー作品に戻ってきた。何よりもそれが『バイオハザード7』の魅力。
一応予防線を張っておくと『バイオハザード4』以降のアクション要素に特化したシリーズを否定しているわけではなく、どちらも好きだけど今作はとくにPSシリーズの『バイオ』を意識した作品になっているということ。
ありきたりな言葉で言えば、まさに原点回帰。何気ないドアの開閉も初代を思い出す。
おなじみの銃はあるものの入手できる弾薬には限りがあり、また武器改造が今回はなくゴリ押しも通用しない。先に何が待ち構えているか分からないので、消耗を避けながら戦っていく緊張感は常につきまとう恐怖とあわせて良い刺激になっていた。
またアイテム所持枠も驚くほど少ない。普通にプレイいていても、アイテム枠がいっぱいで貴重なアイテムを拾えない事が頻発するほどだった。(ただし保管庫が存在するので、最終的には全部のアイテムを拾えたりする。)
そのため限りある資源の中からどう突破するか。ないしは見付からずに通過するか。無視して進むか。そのプレイ感覚が、とくに懐かしい『バイオハザード』な気がした。
あとは、やはり恐怖の演出がとにかく上手い。
視覚、視点がとにかく暗く、ゲーム音はほぼ環境音のみ。足音。何かが崩れる音。窓を叩く風。
少しの物音にも敏感になり、恐怖を感じやすくなる心理的な雰囲気作りもあるが、影の使い方も秀逸だった。
微妙に全体像を掴ませない、視界を悪くさせているからこそ想像を恐怖が支配してくる。ただただ「暗い」ではなく、意味のある暗がりや光源の位置が上手い。それが自然だった。ドアに映る自分の影に驚くのも他では得られない体験。
要は、制作陣はプレイを重ねて作っているだろうに、その初見の怖さをしっかり押さえているのがスゴいのよ。「そろそろ来るか!?」って考える余地がどこかいってしまうほどに。
もしプレイを迷っている人がいたら「初見の怖さ」を大切にして欲しい。
プレイしたいけど怖いって人もいるだろうけど、他人の視点で楽しむのもお化け屋敷を観察しているみたいで面白いかもしれない。
以上。ゲームライターのシュートこと大谷修斗でした。