ゲームライターの独り言

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『レディ・プレイヤー1』オタクこそ別の視点で楽しめる、実にエンタメな映画(ネタバレあり)

   俺はガンダムで行く!

は、ガンダム界でもしばらく使われそうな名言。

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公開中の『レディ・プレイヤー1』は"オタク"にとっては絶賛間違いなしの映画。

とくに俺のようなゲームとヒーロー、映画が大好きなオタクには刺さる。

もちろん"オタク"でなくても、純粋なエンターテイメントとしてもかなり面白い。

 

具体的にいえば「ガンダム」「ロボコップ」「メカゴジラ」「バットマン」「デロリアン」「チャッキー」「キングコング」「エイリアン」「シャイニング」etc...

 出てくるエンタメ作品の量が膨大。元ネタを探すだけでも楽しめる。

そういう意味ではウォーリーをさがせ!」のような映画かもしれない。

 

ストーリーは世界中の人々が熱狂する仮想現実のゲームを舞台に、ゲーム内に隠された「イースターエッグ」を探すというもの。

イースターエッグを手にした者は、ゲームの運営権と莫大な財産を獲得できるおまけつき。

その権利を巡り、いちプレイヤーの主人公と人海戦術イースターエッグ探しに奔走する大企業の社長との対決といった流れ。

 

仮想現実では優秀な主人公も現実では貧困層に位置。

対する社長は現実世界で潤沢な資金と情報量で圧倒してくる対比も面白い。

ゲーム制作者への尊敬を元に仮想現実の世界を守りたい主人公と

ただただ、莫大な資金と経営権利の欲しい社長という見せ方も分かりやすい。

その点においてエンタメ映画として、勧善懲悪ものとして非常に楽しめる。

 

冒頭でも言ったように元ネタ探しに"オタク"はいっぱいで常にワクワクできる。

実際好きな映画だけに「バック・トゥ・ザ・フューチャー」の「デロリアン」が大活躍している所は感動した。

ゲーム内のアイテムという扱いなので、タイムトラベルこそしなかったものの、タイヤをスライドさせてホバー移動でドリフトするシーンはめちゃくちゃ格好良い。

AKIRA」の金田バイクとのデッドヒートも文字通りアツい。

 

語りたい事は死ぬほどあるのだが、やはりファンとしてはクライマックスのガンダム

正直、観る前までは仮想現実の世界観説明で「こんなアバターも使えるんだ」くらいのちょい役だと思っていた。

映画やゲームは実際観る、遊ぶまではPVや前情報をあまり入れないタイプなので。

だからこそ、ガンダムの扱いはすごく良いサプライズだった。

 

皆が戦っている中、1人黙想し。貯めに貯め。迷いに迷い。

変身時間の限られているスーパーアイテムの使い所を見極めていた。そして一言

「俺はガンダムで行く!」

たまんないね。しかもメカゴジラとの対決。

このシーンの見どころは、あくまで登場人物が変身しているガンダムというアバターであること。

だから殴るし、蹴る。ビームサーベルも逆手で持つし、アクロバティックな立ち回りもする。

ここ、すごく凝っているシーンだと思う。

 

もし、俺のようなガンダムファンであれば絶ッッッッッッッ対に"ガンダムらしい動き"をさせる。

それこそラストシューティングやビームライフルを後ろ向きに撃ったり。

それをさせなかったのは良判断。

だいたいガンダムが出ている時点でファンサービスなのだから、それ以上の原作再現は過剰摂取なんだよね。

 

映画の最後を締めくくるのはアタリ製のゲーム。

仮想現実の世界で、世界初のゲーム企業をカギに持ってくるのも良い対比。

最初から最後まで遊び心いっぱいの映画で、非常に楽しめた。